
【2025/7/5~】少女まんがに恋をしたあの頃へ—『花とゆめ展 姫路』で再会する“ときめき”の記憶
あの時、私はまんがの中で恋をしていた。
現実では味わえないような運命の出会い、胸を締めつけるような片想い、すべてをかけた夢への挑戦。放課後の教室でも、布団の中でも、ページをめくるたびに、物語の中の誰かの人生と、静かに心を重ねていた。
それが『花とゆめ』だった。
2024年に創刊50周年を迎えたこの雑誌は、きっと誰かの青春そのものだった。私にとってもそうだった。だからこそ、2025年夏に開催される「花とゆめ展 姫路」の知らせを聞いたとき、胸の奥で何かがふわっと、やわらかくほどけた気がした。
名作たちがくれた、とびきりの“初めて”
「ガラスの仮面」で初めて知った“本気で夢を追うこと”の重み。
「フルーツバスケット」が教えてくれた、“優しさ”の強さ。
「動物のお医者さん」に笑い転げ、「ぼくの地球を守って」に泣き、「暁のヨナ」で剣を握りしめた少女に憧れた。
思えば『花とゆめ』の作品たちは、誰よりも早く、誰よりも深く、人生の複雑さと美しさを教えてくれていたのかもしれない。あの頃わからなかった感情が、今なら、少しだけ理解できる。
「思い出」では終わらない、“今”の展覧会
今回の展覧会は、まるで一つの大きなパーティーのよう。たくさんの原画、ふろく、体験コーナー、フォトスポット——ただ展示を見るだけじゃない。あの頃夢中になった“世界の中へ”もう一度足を踏み入れられるような、そんな空間。
しかも音声ガイドには、声優の下野紘さんと島﨑信長さんが登場。まるで作品の登場人物たちがそっと隣で案内してくれるような、そんな贅沢な時間が待っている。
来場者には、全10種のサンキューカードもランダムでプレゼントされるらしい。あの頃、ふろく目当てでお小遣いを握りしめて本屋に走った日々が、ふいに思い出されて、ちょっと泣きそうになる。
会いに行こう。あの頃の私に。
「花とゆめ展 姫路」は、ただの回顧展じゃない。
かつての読者も、今の読者も、これから出会う人たちも。それぞれの“花とゆめ”を胸に、この夏、姫路文学館に集まる。そこには、きっと笑顔と感動と、少しの涙が待っている。
今、大人になった私たちにこそ、この展覧会は響く。
あの頃、まんがの世界に恋していた私に、もう一度会いに行こう。
ファン必見のサイン会も!
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📍花とゆめ展 姫路
期間:2025年7月5日(土)~9月15日(月・祝)
会場:姫路文学館 北館
時間:10:00〜17:00(最終入館16:30)
観覧料:一般1,200円、高校・大学生700円、小中学生340円(未就学児無料)
※前売券はございません。