姫路 サルサカレー 飾磨 スパイスカレー

姫路・飾磨のスパイスカレー店 “記憶の味”から始まった料理探求

姫路・飾磨のスパイスカレー店「SALSA curry」1周年

姫路市飾磨区にあるスパイスカレー店「SALSA curry(サルサカレー)」が、7月5日に開店1周年を迎えます。築約60年の祖父宅を改装した店内は、カレー店というよりも、どこかアトリエのような雰囲気が漂います。

店主・長田幸次郎さんの、少し風変わりなカレーの物語を訪ねました。

姫路 サルサカレー 飾磨 スパイスカレー


12歳の“サルサ体験”から始まった

長田さんがスパイスの世界に惹かれたきっかけは、12歳のときに体験したアメリカでの短期交換留学でした。滞在中に食べた本場のタコスに衝撃を受けたといいます。「この味はなんだ」と思うほどのインパクトで、特にサルサソースの風味が記憶に深く残ったそうです。



帰国後もその味への興味が冷めることはなく、自作の「なんちゃってタコス」を高校時代の弁当にするようになります。

「今思うと、かなり雑なレシピでしたね。小麦粉を水で溶いて焼いた皮に、ケチャップで炒めたひき肉とチーズ、レタスを巻いただけ。でも、なぜか友達には人気があり、弁当を奪われることもありました」と長田さんは笑顔で振り返ります。

大学卒業まで“あの味”にたどり着くことはできませんでしたが、20代の夏、沖縄で食べたタコライスが記憶の味と重なり、「これや!」と直感したそうです。そこから、サルサソースやタコミート、ハラペーニョなどのスパイス文化への探求が始まりました。


現地未体験、それでも“自分の味”を追求

スパイス料理への関心が高まった長田さんは、30代に入ってから「タコス酒場 choice」という店を金曜限定で開店。しかし、コロナ禍により閉店を余儀なくされます。店がなくなった後も、独学でスパイスの研究を続け、次第にカレーづくりへとシフトしていきました。

「実は、インドに行ったことがありません。現地のカレーを知らない分、逆に“料理として美味しいかどうか”に集中できるんです。いわゆるスパイスカレーというより、自分なりの感動できる料理を作ることを意識しています」と語ります。



小麦粉や乳製品、白砂糖、果物を使わず、身体への負担を減らしたレシピ構成も特徴の一つです。辛さも控えめで、老若男女が楽しめる味わいを追求しています。


祖父の家を改装して生まれた“スパイス空間”

店舗は、築約60年の祖父の住まいを自ら改装してオープンしました。立地や外観から、開店当初はなかなか認知されず苦労があったそうですが、SNSでの発信やイベント出店などを地道に重ね、今ではリピーターも増えています。

姫路 サルサカレー 飾磨 スパイスカレー

姫路 サルサカレー 飾磨 スパイスカレー

店内には、書家としても活動する長田さんによる書道作品が壁を彩り、料理とアートが同居する不思議な空間となっています。

座席数はカウンター6席、テーブル16席。決して広くはありませんが、誰かの物語に触れるような、静かであたたかい時間が流れています。

姫路 サルサカレー 飾磨 スパイスカレー


メニューは「選べるスパイスカレー」+α

看板メニューは「サルサカレー」(1,200円)。このほか、1種盛り(1,100円)、2種あいがけ(1,200円)、3種あいがけ(1,500円)の「選べるスパイスカレー」を提供しています。

姫路 サルサカレー 飾磨 スパイスカレー

カレーは、「チキンカレー」「腸活薬膳キーマ」「えびカレー」「ポークビンダルー」「ゴマとオクラのポーク」「ひよこ豆のカレー」「グリーンカレー」など、日によってラインナップが変わります。ご飯は酵素玄米かクミンライスから選択できます。

ドリンクは「玄米コーヒー」「チャイ」「紅茶」「ジャスミン茶」(各200円)のほか、「缶ビール」「ハイボール」「梅酒」「チューハイ」(各400円)といったアルコール類も取りそろえています。


1周年記念イベント おかわり自由の「無限スパイスカレー」開催!

7月5日は“スパイスの日”に

1周年を記念し、7月5日(土)はランチ・ディナーともに特別営業を実施します。

〈ランチの部〉
11時~13時(14時閉店)、セルフスタイルの「無限スパイスカレー」を提供します(おかわり自由)。料金は1人1,500円(ラッシーまたは玄米コーヒー付き)。カレーは2種類、クミンライスにトッピングやアチャールも用意。先着30名分で、なくなり次第終了となります。※駐車場は使用不可。徒歩または公共交通機関での来店を推奨します。

〈ディナーの部〉
17時~20時(21時閉店)、完全予約制で開催されます。1人1,000円で、ジャークチキン、タンドリーポーク、アチャール、ドリンク1杯が付きます。ハーフカレー(600円)やオーナーパスタ(当日次第)なども楽しめる予定です。アルコールを片手に、ゆっくり過ごしたい方にもおすすめです。


「カレーの先に、人との出会いを」

今後は、料理教室や“料理ライブ”といったイベントも構想中とのこと。「カレーという枠を超えて、人との交流の場を作っていきたい」と長田さんは語ります。

「食事をしに来たのに、いつの間にか誰かと話していた、そんな店になれたらうれしいです。何かを感じ取ってもらえたら、それが一番です」

“感動したい、してもらいたい”。少年時代から変わらないその純粋な思いが、スパイスという形になって、姫路・飾磨のまちに香り立っています。

※本記事の内容は執筆および投稿時点の情報に基づいておりますが、情報の正確性・完全性を保証するものではありません。最新の情報は公式サイト等でご確認ください。また、万が一誤りを発見された場合は、お知らせいただけますと幸いです。




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