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姫路・安富町「かかしの里のひなまつり」 等身大のひな人形が華やかに宴を演出
姫路市安富町関にある「奥播磨かかしの里」で、2月16日から「かかしの里のひなまつり」が開催されています。桃の節句を祝うこのイベントは、地域の特色を生かしたユニークなひな祭りとして親しまれています。
関地区は「住民よりもかかしの数が多い」と言われるほど、道路脇や畑など至る所にかかしが点在しており、その数はおよそ130体にも及びます。
このイベントは2014年に始まり、毎年恒例となっています。1月末頃から準備が進められ、飾り道具や資材が展示会場へと運び込まれ、設営作業が本格化します。
メイン会場となる「ふれあいの館」には、高さ約2メートルのひな壇が設置され、等身大の内裏びなや三人官女、五人ばやしなど、華やかな衣装を身にまとった合計33体のかかしが並びます。ひな壇の左右には、かかしたちが車座になり、宴を楽しむ姿も再現されています。酒を酌み交わし、談笑しているかのような光景は、どこか人間らしさを感じさせ、訪れる人々を和ませます。一体一体異なる表情が細かく作り込まれており、まるで会話が聞こえてきそうなほどの生き生きとした雰囲気が魅力です。
かかし作りを手がけたのは、関地区出身で現在は宝塚市に住む岡上正人さん。地域の活性化を願い、地元住民とともに取り組んできました。「かかしの豊かな表情や、陽気な雰囲気を楽しんでほしい。見た人が思わず笑顔になるような展示になればうれしいです」と話します。また、ひな人形の着付けを担当したのは、町内在住のひな人形愛好家、公受(おおやけ)雅さん。衣装の細部にまでこだわり、華やかさを演出しています。さらに、町内のかかしたちが会場までの案内や受付を担当し、訪れた人々を温かく迎えます。
古民家を活用した「ふるさとかかしギャラリー」では、かかしの家族がひな祭りを楽しむ様子も展示されており、より一層の郷愁を感じられる空間となっています。
最終日の4月6日には、野外集会所にて「野外カフェ&コンサート」の開催が予定されており、春の訪れを感じながらゆったりとした時間を過ごせるイベントとなるでしょう。
開催時間は10時~17時。入場は無料で、火曜日は定休日です。4月6日まで開催されているので、この機会にぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。